ST135.004 1963年製
初期の特殊用途系(スポーツ系)モデルの中で、いち
ばんマイナーな存在であるのがこのレイルマスター
である。このモデルはシンプルな外装(いわば普通の
中三針である)に反して、内部の耐磁構造は「これぞ
特殊用途時計」といった感がある。

この手巻レイルマスターは外装部品の違いにより、
ファースト、セカンドといった区分けをされている
場合があるが、レファレンス番号、針およびムーブ
メントのバージョン変更以外に違いが見当たらない。
個人的には初期型、後期型という区分けをしている。

右上の画像はケースからムーブメントを取り出した状態であ
るが、文字盤の厚さに注目していただきたい。通常の文字盤
の三倍ぐらいの厚さがある。むろん耐磁目的であるが、こん
なにぶ厚い文字盤はとても珍しい。文字盤単体を手に持った
感じは、大型の硬貨のごとくズシリと重い。このぶ厚い文字
盤に対応するために秒カナ、筒カナ、筒車はレイルマスター
専用部品である。
右下の画像は左からムーブメントの耐磁リング、耐磁内蓋で
ある。スピードマスター用の部品と同様の感じに見えるが、
どちらの部品も厚く堅牢に出来ている。右の部品はリング状
のスプリングで、これを裏蓋の内側に装着し、耐磁内蓋を耐
磁リングに密着させる構造になっている。
























ムーブメントは30mmキャリバーのセンターセコ
ンドの最終バージョンであるCal. 286が搭載さ
れている。レイルマスターは30mmキャリバーが
搭載されたモデルの中で最大級のケースサイズ
(直径38mm)である。初期型のレイルマスターに
はCal. 284や285が搭載された。



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