オメガ・スピードマスターはとにかく人気がある腕時計である。
発売後既に40年以上経過しているが、その人気は衰えることもなく、現在は様々な派生モデル
が存在する。オメガ社のラインナップの中心モデルであり続け、スピードマスター抜きには現在
のオメガ社を語ることはできない。
数あるスピードマスター・ラインナップの主役はプロフェッショナルだと明言するが、反論する
人はいないであろう。しかし、わたし個人とプロフェッショナルとは疎遠である。過去に入手し
た本数はCal. 321を搭載したフォースモデルを中心に約7〜8本と多いが、それらは全てわたし
の手元から去って行った。少し大ぶりなケースサイズに馴染めないこともあるが、流通量が豊富
なので「いつでも入手出来る」という思いから、所有していない歴は5年を超えた。
スピードマスター・プロフェッショナルを取り巻く環境に少し辟易していることも、敬遠してい
る理由の一つだ。マニアの方々の話題は限定モデルや記念モデルに関することが中心で、それも
外装パーツの些細な違いに関する話題で盛り上がっている。それらを研究することも、趣味とし
ての腕時計の楽しみ方の一つであることに異論はないが、機械式クロノグラフの魅力を語る上で
の本筋ではないと思う。
他のメーカーに比べオメガ社のパーツは入手が容易で、海外の業者ルートやネットオークション
では様々なパーツが流通している。オメガ社は外装パーツを変更した、限定版(といってもかな
りの数の)スピードマスター・プロフェッショナルを定期的に発売しており、
それらの補修用と
思われる珍しい文字盤や針、裏蓋も流通している。
こういったパーツを利用してオリジナルモデルを製作することを「カスタム」と呼ぶそうである
が、今回はこれに挑戦してみようと思う。外装パーツのみを交換したカスタムモデルの製作は、
既に諸先輩方々が実践済みであるし、パーツさえ入手できれは誰でも簡単にできるので、あまり
面白味がない。そこでわたしはベースモデルなしに1本のスピードマスターを製作することにし
た。市場的に価値がない、いわゆる「ガッチャマン」時計が出来上がるわけだが、これだと逆に
手放すこともなく、わたしの所有する唯一のスピードマスター・プロフェッショナルになる予定
である

*本企画は腕時計の改造を奨励するものではありません。改造は腕時計自体を傷める原因になり
 ます。改造した腕時計が故障してもメーカーでの修理は断られます。改造には時計修理に関す
 る知識と技術、経験が不可欠です
が、修理会社や修理職人に無理強いするのは止めましょう。
 参考にされるのは構いませんが、改造は自己責任で行って下さい。


Movement

Dial and Hands

Case





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